私のかんそうき

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トゥモローランドを見る

トゥモローランドを見る

トゥモロー・ワールドではなくトゥモローランド。監督はアルフォンソ・キュアロンではなくブラッド・バードである。
タイトルは紛らわしいが中身は紛らわしくない。向こうは硬派なSF、こちらは子供向けのファンタジー。

正直この映画は子供騙しの感じが強く、おっさんである自分にとってはあまり面白いものではなかった。
大昔の海外SF小説に出てきそうな小道具、キャラクター、設定、ストーリーで、それはそれなりに魅力的に見えるのだが、残念ながらSF的な科学考証が無いためなのか説得力が感じられない。適当に作られた世界で破滅の危機を言われても緊迫感は感じられない。
せめて魅力的な悪役でもいればストーリーが盛り上がりそうだが、終盤まで敵は明らかにされず、そもそも映画の舞台がほとんど現代で進み、だらだらと現代でドラマを続けて、ようやくトゥモローランドに主人公一行が行ったと思えばがっかりする展開で映画は終わる。

アクションシーンは楽しいので幸い退屈はしない(と思う)。特に謎の美少女アテナの活躍はこの映画での見どころの一つ。アテナを中心にしてもう少し面白いアイデアやストーリーやキャラクターを見せてくれればいい映画になったと思うのだが、それはもう別な映画だな。

この映画は主役の子がどうにもいらない子で、何故こんな主人公にしたのか理解に苦しむ。一体彼女はこの映画で何をしたのだろう。
主人公の弟のほうが主役としてはふさわしいと思うのだが、ストレートな少年主人公SFではありきたりすぎてアピールが弱いという判断でもあったのだろうか。

この映画はたぶん企画映画だと思うんだけど、さすがに企画自体に無理があったのかもしれない。ブラッド・バードはそれなりに手を尽くしたのだが、残念ながらそれはあまり成功しなかったのかな・・・と私の好きな映画「Mr.インクレディブル」の監督さんなので妙な擁護を入れて感想を終わるのだった。