私のかんそうき

感想記録ブログ

「おっぱいバレー」の感想

おっぱいバレー」(2009)の感想

綾瀬はるか目当てで視聴。
綾瀬はるかは「海街diary」でその女優としての輝きに今さらながら自分は気づいたのだが、この作品でももうすでに彼女はスクリーンの中で輝きまくっていたのだった。なんだもっと早く見とけばよかったな・・・

映画はバレーに打ち込む少年たちの話がメインかと思いきや、綾瀬はるか演じる先生のほうがメインだった。心に傷を負った先生が落ちこぼれ少年たちと共に成長していく話。だからジャンルとしては教師ものになるのかな。
ただ教師ものといってもコメディなので、あんまりシリアスなお涙頂戴ものという感じは無い。バレー部の生徒たちは個々人としてはあまり深く描かれず、よって先生との関係性も先生と生徒の立場を超えていないようにも見え、人間ドラマとしてはやや物足りないようにも思った。

ドラマの核である綾瀬はるか先生のトラウマからおっぱいバレ騒動につながる展開は良かったと思う。いかにもドラマ的でベタな感じはしたが、感動できる良いエピソードだと思った。ただあんな事でクビとかはさすがに無いと思うけどね。

映画の前半は生徒たちがおっぱい狂いの状態でドラマにならず大丈夫かと思ったのだが、後半はストレートな展開で素直に映画を楽しむことが出来た。あまりコメディとしてひねらなかったのが良かったのかもしれない。

唯一気にくわないのが元カレとのベッドシーン。この後のギャグのためのシーンで狙いはわかるんだけど、この作品で綾瀬はるかの性的な部分は何故か見てられない・・・あのシーンはいらないよなあ。

そういえばこの映画は昭和の時代設定だけど、それがあんまり活かされているとは思えなかった。郷愁感がテーマという訳でもないだろうし、舞台が現代でも特に問題ないストーリーだと思う。単にモデルになった年代が昭和というだけかな。

バレー部の生徒たちの破廉恥な行動が現代の感覚ではありえないから設定が昭和なのかもしれない。でも昭和でもあんなのいないよな・・・まああれくらいの素朴な性への感情はある程度普遍的なものだと思うので、現代の生徒版のおっぱいストーリーを見てみたいとも思った。

「アントマン」の感想

アントマン」(2015)の感想

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オープニングとエンディングの音楽がかっこいいと思ったらエンドクレジットを見たらエドガー・ライトが絡んでいたのね。
なるほど、すべりギャグのシーンがあったのはこの人のせいか・・・

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脚本エドガー・ライトにしてはまとまっているなと思ってウィキペディアを見たら途中降板と書いてある。なるほど・・・じゃあ音楽も関係ないのかな。人間やヤギが肉片になるあたりの悪趣味な感じはライト脚本の名残があるような気はする。

映画は楽しいしよく出来ている。特にラストのイエロージャケット戦は見応えがあった。イエロージャケットのデザインはかっこいい。
ただ最初のアントマン化シーンが自分の中では面白さのピークだったかな。もう少し弱いヒーロー像をイメージしていて、後のヒーローになる流れはヒーロー映画らしい展開でいいんだけど、当たり前だが非現実的な話でもあるので思ったほどテンションは上がらなかった。
家の周りとか、身近な世界で冒険するような話が見たかったなあ・・・あ、それミクロキッズだな。

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アントマンは伸縮自在だけど、映画としては縮んだままのほうが面白いよね。縮んで活躍したはいいものの、どうしても元に戻らなくて困る・・・そういう面白さもあるかと思っていたんだけど残念ながらそっちじゃあ無かった。あくまでもヒーローもの。
せっかくなのでエロい事しに女の子の部屋に潜入するアントマンとか見たかったけど、主人公は子持ちの親父設定だから無理か。せめて向こうの旦那に嫌がらせするとかはして欲しかった。

ヒーロー映画としては良く出来ているけど、ミクロ化妄想映画としては残念な出来だった。もちろんそれを求めるほうが悪いんだけどね。
でもヒーロー映画としてももっと早くイエロージャケットは登場して大暴れする展開のほうが良かった気はする。ミクロ兵器の恐ろしさを描く意味で。
小ささを活かした潜入ミッションパートとか、マイケル・ダグラス親子のパートとか良かった所も多いけど、なんとなく全体の出来としては小粒な感じも否めない。
今作はアントマン誕生編なので、もっとすごいスペクタクルは次回作に期待かな。

「オールド・ボーイ」(2013)の感想

オールド・ボーイ」(2013)の感想

スパイク・リー監督。韓国映画版は視聴済み。

韓国版は衝撃的な展開にそうとう恐怖した覚えがある。監禁ビジネスとか非現実的だし、話も荒唐無稽なんだけど、怨念の深さが凄いというか、人を追い込むいやらしさに妙なリアリティがあって、よくこんな話を考えるなあ、とただただ驚いたようにも記憶している。

スパイク・リー版は韓国版とストーリーはほぼ同じ。ただ残酷表現などはマイルドになっているように思う。意外と上映時間が短く、主人公とヒロインが男女関係になるあたりなどは、韓国版と比べるとやや性急に見える部分もあったように思えた。

一番の違いは主役の人選かな。韓国版の主役と比べると今作のジョシュ・ブローリンは年を取り過ぎているような感じ。ビルドアップの変わりようは素晴らしいのだが、枯れた感じのほうが先に立ち、韓国版のような開放されて爆発寸前のエネルギーみたいなものは感じられなかった。

そもそも監禁中の主人公の性格の変化みたいなものがあんまりうまく描かれてないような。監禁前のキャラクターがちょっとゲスすぎて、感情移入がしにくいところはあるように思う。
恨みを買う性格であることはミステリーの導入として必要だったのかもしれないが、もうすこし善良な人であったほうが後の変化が大きくなって良かったのではなかろうか。

韓国版で面白かった横スクロールアクションパートだけど、こっちは正直ダメな感じ・・・ 一応は見れる出来だけど、迫力が足りないし、ジョシュ・ブローリンの動きもなんか鈍い。敵の動きも良くなかったように思う。まあでもこの映画的にはここはサービスシーンみたいなものなので、あんまり頑張りすぎなくてもいいのかもしれない。
そのぶん(?)サミュエル・L・ジャクソンを拷問しているシーンは面白かった。ただちょっと普通はあんなに耐えられないよな。サミュエル・L・ジャクソンが痛いのを喜んでるような感じで騒いでいたので、あんまり残酷に見えないのが良かったのかもしれない。さすがサミュエル。

偽の○○を見せて騙すというのは韓国版でもやっていたかな。多分今作のアイデアだと思うんだけど、ここはアメリカらしい良いアイデアだと思った。

肝心のアレだけど、今作は関係があっさりしすぎか。もっと深く離れられない関係になっていないとテーマ的に本当はダメなんだろうけど、わりとマイルドなままで終わってしまった。韓国版はグロテスクすぎるので、こういうマイルドな改変もやむを得ないかなあ。
韓国版にあった悲劇性は薄くなってしまったが、代わりのオチはうまいと思った。この映画でうまいと思わせてはいけないような気もするけど・・・


アメリカ版は韓国版を先に見て、比較して見ると面白いかもしれない。
先にこっちから見るとどうなんだろう、ただ荒唐無稽なだけのストーリーに見えてしまうんじゃないだろうか。
今作もオリジナルと比べて特に悪いわけではないと思うが、改変するならもっと大胆に改変して、アメリカらしい別な世界観のオールド・ボーイを見たかったような気もする。
スパイク・リー監督はアカデミー賞の黒人ノミネート問題で騒がれているけど、この作品も黒人キャストだったらもっと違った面白さが出たんじゃないのかな。サミュエル・L・ジャクソンが監禁されてファックを連発しながら20年間、というのを想像して一人で笑ってしまった・・・

「28日後…」の感想

「28日後…」の感想

ダニー・ボイル監督のゾンビ映画。正確にはゾンビではなく感染者。

続編の「28週後…」のほうはだいぶ前に見ていて、そこそこ面白いという感じの映画だった。アクションやドンパチは多いのだが、見ていて楽しいというよりも何だか疲れたように記憶している。ゾンビにスピード感があって迫力はあったけど、親子物語の部分がいまいちだったような。

「28日後…」のほうは続編とはだいぶ方向性が違っていて(時系列が逆だけど・・・)、ロメロのゾンビ作品のオマージュ的な内容の作品だった。メインキャラに黒人がいたり、ショッピングしたり、軍隊が出てきたり、鎖に繋がれたゾンビがいたり・・・

ロメロのゾンビ作品と違うのはサバイバルがテーマというところだろうか。ロメロほどゾンビ(感染者)へのこだわりはあまり感じられず、主人公らがあんまり武装してなかったり、感染者との戦いをあんまりきっちりと描いておらず、そのせいなのか絶望感や悲劇性は薄く感じた。
主人公らが昼間うろうろしていたのは感染者が昼間はおとなしい設定なのかな。ちょっとヌルい世界のように感じられて興醒め感が少々・・・ただ終わった世界でのショッピングやハイキングは楽しそうでいい感じ。馬のシーンは美しかった。
また主人公の親が感染者になって襲ってこないあたりはゾンビ映画的には物足りない感じがしたが、これはベタだからやらなかったのかなあ。

前半の感染者編はまあこんなものかという感じだったが、一番怖いのはゾンビではなく人間だ、を地で行く後半の軍人編は面白かった。
あまりにも軍人たちが頭が悪そうに描かれていたので、もしかしてと思ったら案の定の展開になり、彼らが下品な分感染者より怖かった。
主人公が絶体絶命になるところの絶望感がすごく良いのだが、生きる希望が湧いた後、主人公が突然ランボーになってしまったのには笑ってしまった。意外な展開だけどこれはホラーじゃなくてギャグだよなあ。ただ逆転劇の爽快感はあるので面白かった。

ラストは映像も爽やかで個人的には良かった。ゾンビ映画に無理に批評性を持たせず、うまく(不真面目に)まとめた感じの映画に思えるが、ホラーとして見るといまいちな出来なのかもしれない。
誰もいない世界で女の子と仲良くなってヒーローになる、いかにも青年期に抱く妄想を具現化した作品に思えてしまうけど、そこが面白くもありつまらなくもある映画といったところだろうか。

エンディングクレジットのあとの映像は別エンディングの模様。こっちだと妄想感が減ってつまらないと自分なんかは思ってしまったが皆さんはどうでしょうか。

「日本のいちばん長い日」(2015)の感想

「日本のいちばん長い日」(2015)の感想

登場人物が多い。なのでこのページで誰が誰かを把握したほうがより楽しめる。

映画『日本のいちばん長い日』公式サイト 人物相関図

映画ではクーデターを起こす陸軍将校らの行動がいまいちわかりづらかった。特に井田正孝の行動は途中で畑中らに中止するように言った後、阿南のところに行ったりしていてなんとなく行動が繋がらないような感じも受けた。井田は阿南のところにはクーデター参加の要請をしに来たのだろうか。

岡本喜八版では最後のほうでビラ配りのシーンがあったようにも思ったけど2015年版では無かった。

昭和天皇は岡本版ではほとんど姿を見せなかったが今回は本木雅弘が好演。堂々と天皇描写が出来るようになったのは時代の流れというものなのだろう。
東条英機とのサザエ問答は今作の名シーンだった。

松坂桃李の畑中少佐は映画の最初のほうではとても軍人に見えない頼りなさだったが、終戦のご聖断の知らせを受けた後の、憤りから机を何度も叩くシーンから狂気を帯び始め、冷酷に上官殺害するあたりは十分に迫力があった。純粋なるがゆえの暴走をうまく表現出来ていたように思う。

阿南惟幾は終戦に反対のような、賛成のような、どっちとも取れる態度を見せる。実際はどうだったのかわからないが、映画では戦争継続派の海軍の大西に対し、特攻を否定する発言もしているところから、本心では終戦を望んでいるように描かれてはいる。
阿南は家族にまつわる描写も多くあり、人間的に純粋なタイプとして描かれていて好感が持てるのだが、そのぶん貧乏くじを引かされた悲哀感が先に立ってしまっているような感じはした。もっと腹の見えない威厳みたいなものはあっても良かったかもしれない。自決シーンは見事だった。

その点東条英機はいかにも軍人らしい威圧感が出ていて良かった。将校でなくても直立不動してしまう存在感があった。あの将校とのシーンがあるから天皇に叱責されるシーンが活きてくるんだろうな。ここは良いシナリオだと思った。


クーデターを起こした陸軍将校の自決と、陸軍大臣阿南の自決、両者の自決に戦争の不毛さを感じもするし、また逆に個人としての潔さも感じもする。戦争継続に失敗して死に、終戦のけじめをつけるために死ぬ。戦争は悲劇を生むのだが、価値観の逆転によって死ななくても良いのに死んでしまうことが一番悲しいのではないか、などと思った。


この映画で唯一笑ってしまったのは松山ケンイチが出てくるシーン。なんですかあれは。「行けー!」のところは威勢がよくて面白かったなあ。


以下主要人物の写真とその当時の年齢。画像はウィキペディアから。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/38/Kantaro_Suzuki_suit.jpg/220px-Kantaro_Suzuki_suit.jpg総理大臣 鈴木貫太郎山崎努)77歳

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/18/Korechika_Anami.jpg/200px-Korechika_Anami.jpg陸軍大臣 阿南惟幾 (役所広司)58歳

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/47/Hisatsune_Sakomizu.jpg/200px-Hisatsune_Sakomizu.jpg 内閣書記官長 迫水久常 (堤真一)42歳

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/e3/Major_Kenji_Hatanaka.jpg/200px-Major_Kenji_Hatanaka.jpg陸軍少佐 畑中健二 (松坂桃李)33歳

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/44/Hirohito_in_dress_uniform.jpg/200px-Hirohito_in_dress_uniform.jpg昭和天皇 (本木雅弘)44歳


あるシーンで唐突に流れる洋楽がこちら。ここは不思議な演出だった。

www.youtube.com
we'll meet again Vera Lynn
ヴェラ・リン - Wikipedia

詳しくは分からないが、どうやら戦争中のイギリスの歌らしいので、敵国のラジオの電波が入って聞こえた設定なのかもしれない。

そういえば阿南が道場で居合の稽古をしている時に突然現れる青年がいるのだが、あれは上記公式サイトの人物相関図を見ると阿南の戦死した息子のようだ。
こうした阿南の心象風景が描かれるのは岡本版と違う今作の特徴か。ちょっとわかりづらいような気もするけど映画としては面白い試みだと思う。

「海街diary」の感想

海街diary」(2015)の感想

食事シーンがまず多い。冒頭から朝食のシーンから列車で駅弁を食べるシーンに続いていき、この流れにはちょっと驚いた。
その後も何かあるごとに食事シーン。意図的であるにしても多すぎるような気はした。
おかげで映画全編のどかな幸福感はあるのだが、なんだかただの生活ぶりを見せられているだけにも感じてしまった。緊張感のある怖い食事シーンとかも見たかったような。(ちょっと気まずい食事シーンはあることはある)

映画は何かをあまり語らずに、エピソードを積み重ねる形でストーリーを見せていく。落ち着いた映像、奇を衒わない自然体の演出ながら退屈せずに見ることが出来、自分にはうまく評論できないけど非常にハイレベルな映画であるように思う。
ただ説明セリフとかは少ないので若干状況がわかりにくいところもあった。まあちゃんと見ていれば大丈夫かな。

役者陣は皆素晴らしかったのだが、特に目を引いたのは長女を演じた綾瀬はるか。自然な演技ながら存在感がすごくあり、正直こんなにすごい役者さんだとは思っていなかった。思わずファンになっちゃうぐらいのオーラがあったなあ。
彼女の作品は今までほとんど見たことは無かったので、おっぱいバレーも今度見てみようと思う。(最初に浮かんだ作品がこれ・・・)

次女役の長澤まさみも可愛くて色気があり良かったのだが、後半次女と一緒に登場する加瀬亮がまたすごかった。
自然すぎて最初誰だかわからなく、本職の銀行員だと思ったレベルの演技。こういう全く前に出ない演技というのも珍しいんじゃないだろうか。いいものを見たなあ。

逆に存在感ありすぎだったのは堤真一。声からして俳優然とした異様な存在感があり、演技じゃなく自然なものなんだろうけど、とても医者には思えない溢れ出る存在感だった。これはこれで面白いものを見た感じ。いろんなタイプの役者がいるのね。

広瀬すずは役がわりとおとなしい役だったので、そんなに驚くようなシーンは無かったように思う。後半別な意味で驚くシーンはあったけど・・・
作中の設定だと最初は中1なのかな。若干それより大人に見えたのはしょうがないか。

ストーリーで気になったのは四姉妹の父親の存在。冒頭の葬儀のシーンで姉妹たちがあまりにも父の死について他人事なので、正直最初はちょっと混乱した。
実の父親との距離を示しているんだろうけど、ここまで他人事だとかえって父親の人物像に興味が出てしまった。たた残念ながら作中では少ししか情報が出ないんだよね。親世代の過去の話はテーマとは違うので仕方ないけど、もう少し登場人物が父親の事を気にかけたり、存在感を出して欲しかったな。
すずですらあっさり父親のことを過去の人にしているように見えたのは自分だけかなあ。まあでもやっぱりそこがテーマじゃないんだよね。この映画は生きている人たちの物語なんだな。

見る前は広瀬すず中心のドラマかと思っていたのだが、そこまで彼女の比重は大きくなく、四姉妹を中心にして、海街に住む人々を俯瞰した視点のドラマといった感じ。登場人物それぞれにしっかりとドラマがありどのパートも面白い。
生命力溢れるすずのシーンがあり、死をイメージさせるシーンがあり、生と死が対比になっているようでここは興味深いところ。生命の円環が表現されているのかな。

まあとにかくこの映画は俳優陣の演技を見てるだけでも面白い。特に今まで何とも思ってなかった綾瀬はるか長澤まさみの評価は自分の中で一変した。
これは監督さんの手腕のおかげなのかな。いやあいい映画でした。

「インサイド・ヘッド」の感想

「インサイド・ヘッド」(2015)の感想

宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で評価が高かったから見てみたけど個人的にはダメだった。
工場みたいな頭の中のシステムとか面白い部分もあったんだけど、自分の頭の中に別人格が存在する時点でもうなんかその世界についていけない。気持ちが悪い。

ヨロコビやカナシミはせめてライリーと同年齢にするとかして彼らの成長がライリーの成長みたいにくっつけないと、他人がどこかでドタバタしてたらいつの間にか心の傷が治っちゃったみたいなだけの話に見えてしまう。
ああいうショックな事がないと人は大人になれないわけでもあるまいに、子供向けとはいえ成長をものすごく単純化しているのも何だか嫌な感じだった。
感情ボールが合体するならヨロコビやカナシミも一つになったりすれば良かったかも。もしくは劇中でカナシミが死んでヨロコビがカナシミになるとか。またはその逆みたいな・・・
作者は精神世界のルールをきっちり決めて、そこから逸脱しないように話を組み立てているんだろうけど、そこがお話として自分がつまらなく感じた原因だろうか。この不満は自分がディズニーのアニメ映画全般に抱く不満かもしれない。ううむ。

映画としてはドタバタコメディとしても見れるので十分面白いとは思う。実験的な世界観も素晴らしい。だけどやっぱり何か引っかかって素直に楽しむことは出来なかったなあ。